消える日The day to disappear
その5 The 5
「少年Ａ」
なんでジャマをするんだ！俺達はこのごろ楽しいことがないからふざけているのに
じゃまをするなよ！
おまえだって腹がへったら盗むこともあるだろう浮浪児なんだから、
「サン君」
いけないことはしてはいけないよ、おまわりさんにいわれた良い子はとくに悪いいたずらは
してはいけないのだよ、きっとそうなんだよ、それにぼくはお腹がすいたって盗みはしないよ・・・・
そんなことないだろう？食べ物が手にはいらなかったら死んでしまうものそんなことできないだろ？
「サン君」
そうだね、食べ物が手にはいらなかったなら死んでしまうだろうね、でもね妹も、お父さんもお母さんも
死んでしまったから死ぬことはつらいと感じないの、だからぜったいに盗みはしないの、
絶対に、
ねえ、なんでなの？どうして教えて君はぼくと妹のためにケーキをプレゼントをしてくれた
やさしい良い子だったじゃない、ねえ、なぜなの？ぼくも死んだ妹も君が大好きだった、
ぼくと妹の本当に少ない幸せな日を消すようなことなぜするの？
それほどかなしいことがなにかあったの？
こらー！なにをしている！逮捕するぞ、
わー
こらーまたんか！逃げ足の速い浮浪児だ、
おい、少年よ、大丈夫か？けがはしていないか？
