黄昏The twilight






「行者」
「行者」
ム!?ムム、
「行者」
坊や、・・・(何かあったようだな)
「サン君」
行者さん?
「行者」
おう、坊や、どうかしたのか?
「サン君」
いいえ・・・
「行者」
私が箱をのぞいているのが不思議か?
「サン君」
うん、
「行者」
そうか、坊や、これは何かを発見できないかと
世間をのぞいているのだよ、つまり、普通に世間をながめても
そのときのまわりの雰囲気によつて感じ方、見方も違う。
だが、こうして箱の中の穴から世間をのぞくとあまりまわりの
雰囲気や見方に左右されない。
そうすることでありのままの世の中を見れるのだよ。
「サン君」
そんなに違うの?
「行者」
そうだよ、人それぞれの主張に翻弄されないほうが
不思議だからね。
「サン君」
何か見つけれたなら仲良しの町になるかも知れないの?
「行者」
希望はそういうことだよ、だが現実の人の町とは実に欲深く、
やかましいから難解だろうね。
だが、坊や、考えてご覧、
この地球というめぐまれた環境の中ではやさしくおだやかに
生きようと思えばできないことはないはずだ。
つまり、
生きるという意味で花のような植物をごらん、地球の恵まれた
気候の中で美しく生きおだやかに生をサイクルしている。
けれど人の場合は欲につかり、騒々しく自分本位で生きることが
多い。しかし、生のサイクルは他の生き物と同様にサイクルして
終末する。そして結果的に残るのは破壊とゴミしか残らない。
だからなにかが変わって欲しい。それで箱の中からのぞくき
何かを発見したいのだよ。
これが私流の世間を感じて分析する術なのだよ。
「サン君」
なんとなくわかるような気がする難しいんだね。
「行者」
そうだよ、世間とは難しいものなんだよ。だから、
みんなが幸せと感じる世間に何が必要かを探しているのだよ。
「サン君」
幸せって探すことができるの?
「行者」
心のありようでも変わるものだろうね。欲張らず、良い友達を
見つけれたなら、それも良いことだし、良い心を失わないこと
だよ。そしたら、心の中に春の花を見るだろう。
「サン君」
そうなの!それならできそう、うれしい!
「行者」
頑張りなさい。
「サン君」
ありがとう、