タネ(その2) 


 
 



「お梅ちゃん」
え!だれ? 
「ジュンちゃん」
わたしよ、ジュンよ、
「お梅ちゃん」
あ、ジュンちゃん、どこにいるの?
「ジュンちゃん」
この奥さんのお腹の中にいるの、ルミちゃんもいるの、お梅ちゃん心配させてごめんね、
「お梅ちゃん」
そんなこと気にしないで、お梅、ジュンちゃんとルミちゃんが元気ならうれしいの、
 



「ジュンちゃん」ありがとう、お梅ちゃん、あのね、ルミちゃんが話したいと
言ってるの、 

「お梅ちゃん」
いいわよ、なに?
「ルミちゃん」
お梅ちゃん、この前はごめんね!お梅ちゃんがせっかくごちそうしてくれたのに、おいしくないなんて、ひどいことをいって、わたしどうかしていたの、ごめんね、
「お梅ちゃん」
いいのよ、気にしてないよ、それよりわたし、ルミちゃんが元気でいてくれたのがうれしいの、「ルミちゃん」
ありがとう、うれしい心配してくれて
 



 「ジュンちゃん」お梅ちゃん、
ごめんね、わたし達、とても眠いの、ここにきてからあたたかくて、ここちよくて、寝てばかりいるの、ごめんね!

「お梅ちゃん」
いいの、わたしはいいから、おやすみしてね
「ジュンちゃん」
おやすみ、
「ルミちゃん」
おやすみ
「お梅ちゃん」
おやすみ
 




「お梅ちゃん」
バイバイ 
 



 
 




 あら、きれいなユリが・・・・
 



「女性」
 例年なら、今頃はユリなどの
花を楽しんでいたのにね、
でも、悪い人たちに乱暴されて妊娠して、それどころではなくなったわ、・・・
でも、こんなに
落ち込んでいてはダメね、そうだやはり、覚悟を決めて中絶をして心機一転、をしよう、うん、
「妊娠した悪霊」おいおい!なんだって?今なんか言ったか?まさか、中絶なんて言ってないよな!
 



「悪霊」
おーい、うそだろう、カンベンしてくれよ、せっかく人間に生まれるチャンスなんだから、 
 




「悪霊」
おーい、なんとか言ってくれよ、おーい、おーい、 やめてくれよー
 



「お魚さん」
今日は良かったね、
「お梅ちゃん」
はい、 
 危ない夜、終わりです。  
 

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